SPECIAL

前人未到の地で新しい冒険が始まる。

2016年3月13日に開催された「電撃文庫 春の祭典2016」の『ソードアート・オンライン』スペシャルステージにて『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』の最新情報が公開された。

まずステージには司会の三木一馬(電撃文庫編集部)とシリカ役の日高里菜が登壇。続いてキリト役の松岡禎丞、原作者の川原礫、キャラクターデザインの足立慎吾といったスタッフがステージに立ち、『劇場版』の内容を語ったのだ。

キャスト、アニメ制作スタッフ、原作者が顔をそろえるイベントは前回の「電撃文庫 秋の祭典2015」以来。観客は大きな歓声と拍手で登壇者を迎えた。

「『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』が2017年に公開に決定しました」と三木が口を開くと、さらに歓声が沸く。すると日高は「サブタイトルの《オーディナル・スケール》というのは新しいゲームですかね?」と質問。「するどいですね。良くそこに気づいていただきました。だからこそ、今回は司会をお願いしたんです(笑)」と三木。

三木は、abecが作画したキービジュアルをスクリーンに映しながら新しいゲーム《オーディナル・スケール》とそのゲームを動かす新デバイス《オーグマー(Augma)》の説明をはじめた。

AR(拡張現実)型情報端末《オーグマー》とは小型のヘッドフォンのような外見のウェアルブル・マルチデバイス。そのコンパクト性はVRマシン《アミュスフィア》を遥かに凌駕する。(VRマシンの)フルダイブ機能の代わりに、AR(拡張現実)機能を最大限に広げた。覚醒状態の人間に視覚・聴覚・触覚情報を送り込むことが可能で、フィットネスや健康管理をゲーム感覚で楽しんでいるユーザーも増えている。

abecが描いた第1弾のキービジュアルにはすでに《オーグマー》を着用しているキリトとアスナが描かれている。耳のあたりにつけている小さな機器が《オーグマー》だと言う。

この《オーグマー》の発案者は、もちろん原案と脚本を担当している原作者・川原。川原は「『ソードアート・オンライン』ではこれまで《ナーヴギア》、《アミュスフィア》と機器が進化してきましたが、いよいよ(僕が書いている)もうひとつの作品『アクセル・ワールド』に登場している首の回りにチョーカーのような機器(ニューロリンカー)に近づいてきたかなと思います」とコメントを寄せた。『ソードアート・オンライン』は『アクセル・ワールド』の20年前の世界が舞台だと言われている。まさに世界の進化を体現する機器と呼べるだろう。

そしてこの《オーグマー》の専用ARMMORPGが《オーディナル・スケール(OS)》である。

最新技術を用いた次世代的ゲームとして話題となり、発売と同時に世間を席巻した。現実世界をフィールドとして、各所に出現するアイテムの蒐集、モンスター討伐などを経てプレイヤーの≪ランク≫を上げていく。《オーディナル・スケール》の特徴はこの《ランキングシステム》で、全てのプレイヤーのステータスは、基数(カーディナル数)ではなく序数(オーディナル数)であるランクナンバーによって決定される。

ゆえに、ランク上位のプレイヤーには圧倒的な力が与えられ、ソロのPvP(対人戦)においては、ランクの順位が勝敗の大きな要因となる。

日高が読み上げた《オーディナル・スケール》の説明を聞いて松岡は反応。「日高さんが読んでいる説明を聞いていると、いますぐランキングバトルが始まりそうな気がしますね」と高まる気持ちを打ち明けた。

「基数と序数について補足すると、基数(カーディナル数)とはモノの量を計る数値。プレイヤーのヒットポイント(体力)とか、ストレングス(筋力)の数値です。《SAO》のキャラクターのステータスは基数で管理されていたため、《カーディナルシステム》で使うことができたんです。序数(オーディナル数)とはモノの順序を計る数値です。その順序でプレイヤーを管理するシステムが《オーディナル……》なのかな……と」と川原が補足する。どうやらこれまでとは違うシステムのゲーム世界が体験できるようだ。

第1弾キービジュアルにはキリトとアスナが新しいゲーム衣装を身に着けている。《オーディナル・スケール》をプレイするときには、プレイヤーはこのようにゲーム衣装を着用するのだと言う。

キャラクターデザイン原案のキリトとアスナを見た日高は、アスナの赤タイツに大喜び。「赤タイツ! こういう衣装は日常で着れないので良いですよね。もともとabecさんの絵が大好きなので絵が拝見できてうれしいです。ところで気になっていたんですけど、シリカがいない!(笑)」……と自分のキャラクターがいないことを指摘した。すると、abecによるシリカのキャラクター原案をこのステージで披露。日高はコスチュームの太もも部分の絶対領域に「ここ!」と大興奮だった。

ステージの最後に日高と松岡から劇場版に期待したいことを三木が尋ねると……。

日高のリクエストは「(シリカに)出番をください」。

そのリクエストに答えた足立は「シリカの出番になったら、シリカの顔の前にピナを飛ばせておきます」とのこと。「ちょっとちょっと!」とあわてる日高だったが、はたして『劇場版』でシリカはどのように描かれるのだろうか。

一方、松岡のリクエストは「もう一度、茅場晶彦に会いたいな」とのこと。

「僕ももう一度、山寺(宏一)さん(茅場晶彦役)の収録が見たいな」と川原がコメントした。どうやって茅場を登場させるかと考えると……松岡が「カーディナルとオーディナルが姉妹だったとか」と提案。それには川原も「カーディナルとオーディナルの擬人化ですか!? それは、いつか書いてみたいですね」と回答していた。

『劇場版 ソードアート・オンライン –オーディナル・スケール-』は2017年の公開を目指して目下、制作中。足立はこのステージが終わると、スタジオ(A-1Pictures)に帰り、アニメ第1弾キービジュアルのコンポジット作業をするという。このアニメ第1弾キービジュアルはアメリカ・ワシントン州シアトルで開催される「Sakura-Con 2016」(現地時間3月25日(金)~27日(日))にて解禁される予定だ。

いよいよ『劇場版』の内容が見え始めた。ステージは来場者の拍手とともに幕を閉じた。